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都内の図書館に配架されているITエンジニア向け技術書ランキング

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世間はもっぱら夏休み。 夏休みと言えば人によっては海・花火・祭りなどがキーワードに挙がるかと思いますが、ぼっちの自分にとっては自由研究の季節です。 幼少の頃に戻って自由研究っぽいことしたいなーと思ったので、都内の図書館におけるIT技術者向けの技術書分布を調べてみることにしました。

調べること

「都内の市区町(52箇所)の図書館において、一番配架率の高い技術書」を調べます。技術書全てを対象に調査するのもきついので、別サイトを参考に、人気のある技術書を「参考図書」として選出します。選出対象となる技術書は「ITエンジニア全般」に向けたものとし、特定のプログラミング言語や業種などに収まらない内容のものを選びます。

都内の図書館で配架されているかどうかは下記横断検索のサイトを利用します。

calil.jp

各種図書館サイトの検索仕様上、キーワードに完全マッチしていないものもヒットしたりするので、一つ一つ自分の目で確かめます。(このあたりプログラムでどうにかしたかったけど思いつかなかった)

参考図書

今回参考とした「ITエンジニア向け技術書」は人気書籍と思われる以下の11点です。

選定については技術書に関する情報が挙げられている下記サイトを参考にしました。

www.techbookrank.com tsundoku.site

また、独断と偏見で、プログラミング系・マネジメント系・ライフハックの三種類に分けてます。 参考図書については私自身が読んでいないものも含んでいるので、分類は参考程度に。

注意点として、参考図書が配架されていたとしても最新の改訂版でない場合は「配架なし」とみなしています。 例えば参考図書として挙げた人月の神話は1977年版のものが配架されていたとしても、最新の2014年版が配架されていなければ「配架なし」とします。 また、東京都立図書館については個人貸出ができないという特殊性から、調査対象から除外しています。

1. プログラミング系

1.1. リーダブルコード: より良いコードを書くためのシンプルで実践的なテクニック(2012年)
1.2. プリンシプルオブプログラミング: 3年目までに身につけたい一生役立つ101の原理原則(2016年)
1.3.エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計(2011年)
1.4. 達人プログラマー 職人から名匠への道(2016年、初版2000年)
1.5. UNIXという考え方: その設計思想と哲学(2001年)

2. マネジメント系

2.1 アジャイルサムライ――達人開発者への道(2011年)
2.2 カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで(2018年)
2.3 人月の神話―狼人間を撃つ銀の弾はない(2014年、初版1977年)

3. ライフハック

3.1 SOFT SKILLS ソフトウェア開発者の人生マニュアル(2016年)
3.2 CAREER SKILLS ソフトウェア開発者の完全キャリアガイド(2018年)
3.3 エンジニアの知的生産術(2018年)

IT技術者ならこれ読んどけ!という書籍があれば参考図書に追加したいので、コメントください。

配架されている技術書ランキング

都内の市区町(全52箇所)別に配架されているかどうかを調べました。

1位:リーダブルコード・エンジニアの知的生産術
24箇所

リーダブルコードは予想通りのトップでしたがエンジニアの知的生産術も配架数においては並んでおり、ツートップという結果になりました。 エンジニアの知的生産術は未読なのですが、インプットをいかにして血肉にするか、ということについて悩むことが多くなったため、一度読んで参考しようと思います。 (リーダブルコードは読了済ですが、普段の業務で意識せず活かす領域まで達していないのでエンジニアの知的生産術を読んだあとに読み直した方が良さげ)

3位:アジャイルサムライ
22箇所

最近までアジャイルってウォーターフォールの逆(要件定義をしながら開発をしていく)という認識だったのですが、細かい定義があることを知らず恥をかいたりしました。自分の場合は大きなプロジェクトよりも小さなプロジェクトの開発をゴリゴリ回していくことが多いため、一度アジャイルの考え方について学んでおこうと思います。

4位:CAREER SKILLS
15箇所

個人的に今一番興味のある一冊です。 大ヒットしたSOFT SKILLSの続編なのですが、続編の方が配架されているのは面白いですね。 「CAREEA SKILLS、近所の図書館にないかなー」と探したのが本記事のきっかけでもあります。発売されてまだ1年ちょっとしか経過していませんが、都内の1/3の地域で利用されています。

5位:プリンシプルオブプログラミング・人月の神話
14箇所

プリンシプルオブプログラミングはリーダブルコードに並ぶかと思いましたが、大きく差がつきました。確かにリーダブルコードと比べて抽象的な話が多く、「初心者」よりも「脱初心者」レベルの内容となるため、リーダブルコードと比べると読者層は少なくなるのかもしれません。 人月の神話は古い版のみを配架している図書館も多かったので、それを加味するとかなり人気の高い一冊と言えます。古い本ってとっつきづらそうなんですが、このように改訂され続ける本というのは読んでおい損はないと思います。

以下、

7位:カイゼン・ジャーニー・達人プログラマー
13箇所
9位:SOFT SKILLS
11箇所
10位:UNIXという考え方
8箇所
11位:エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計
2箇所

という結果となりました。 全体結果は以下表にまとめています。

1.1
リー...
1.2
プリ...
1.3
エリ...
1.4
達人...
1.5
UN...
2.1
アジャ...
2.2
カイ...
2.3
人月...
3.1
SO...
3.2
CA...
3.3
エン...
荒川区
新宿区
文京区
港区
大田区
江東区
品川区
墨田区
調布市
足立区
江戸川区
葛飾
北区
武蔵野市
西東京市
目黒区
板橋区
杉並区
中野区
東大和市
渋谷区
千代田区
豊島区
練馬区
八王子市
町田市
国分寺市
世田谷
立川市
多摩市
日野市
府中市
三鷹市
小平市
台東区
中央区
東久留米市
武蔵村山市

IT技術書が配架されている市区町別の図書館ランキング

ついでに、市区町別の図書館ごとに参考図書が配架されているランキングも算出しました。

1位:荒川区・新宿区・文京区・港区
8種

参考図書が一番多い図書館は以上の4箇所という結果になりました。

上記全ての図書館でリーダブルコードプリンシプルオブプログラミングアジャイルサムライエンジニアの知的生産術が配架されており、 なかでもリーダブルコードアジャイルサムライエンジニアの知的生産術は他図書館の多くに配架されており、人気の一冊と言えます。

ちなみにエリック・エヴァンスのドメイン駆動設計は上記したいずれの図書館にも置いていませんでした。 全体として配架数が少なく、都内で置いている地域は都立図書館を除いた町田市中野区の2箇所のみです。 個人的にはアジャイルサムライと比べて大きな差が出たのが意外な結果となりました。

2位:大田区江東区・品川区・墨田区調布市
7種

ここで市から初めて調布市がランクインです。 調布市立中央図書館東京都内公立図書館 図書所蔵数ランキング(2017年版)で4位となっており、所蔵数の多さがランクインにつながったものと思われます。 ただ参考図書において言えば、所蔵数2位の府中市立中央図書館3位の八王子市中央図書館を抑えてのランクインとなりますので、IT系の技術書に比較的力を入れていることが読み取れます。

また興味深いのが、江東区ではプログラミングに直結する書籍 * リーダブルコード * プリンシプルオブプログラミング * エリック・エヴァンスのドメイン駆動設計 * 達人プログラマー が配架されていないことです。 江東区ではプログラミング系よりもマネジメント系・自己啓発系が多いのかも?

3位:足立区・江戸川区葛飾区・北区・武蔵野市
6種

ここでもアジャイルサムライが全ての地域で配架されています。 リーダブルコードについては足立区で配架されていないようです。 大きな特徴はありませんが、このあたりから配架される本の分類がばらけ出すので、参考図書を増やせば新たな特徴が見えてくるかもしれません。

以下、

4位:西東京市・目黒区
5種
5位:板橋区・杉並区・中野区・東大和市
4種
6位:渋谷区・千代田区・豊島区・練馬区・八王子市・町田市
3種
7位:国分寺市・世田谷区・立川市・多摩市・日野市・府中市三鷹市
2種
8位:小平市台東区中央区東久留米市武蔵村山市
1種
9位:昭島市あきる野市稲城市青梅市奥多摩町清瀬市国立市小金井市・狛江市・羽村市東村山市・日の出町・福生市・瑞穂町
0種

という結果になりました。

まとめ

今回の結果から、図書館の配架数という観点においてはリーダブルコードエンジニアの知的生産術アジャイルサムライが人気だということが分かりました。 参考図書を増やしてランキングを算出すればもっと面白いかもしれませんが、各種図書館の検索結果がファジー過ぎて人力確認地獄になるのでやめておきます。