今夜がλ

夜だけプログラマー

誰も言わないのでAlexaの不満点だけを叫びたい

去年の年末に申し込んだAlexaがようやく届いた。EchoとEcho Dotを同時に申し込んで先に注文確定できるものを買おうという算段で、Echoの招待が先に来たので迷わずEchoを購入。スマートスピーカーには全く興味なかったがGoogle Homeが3000円台で買えるってのを聞いて、意外とリーズナブルだなーと思って何ができるか調べていくうちに気づいたら買ってしまっていた。
Amazon PrimeサービスのヘビーユーザーなのでEcho一択だなと衝動的に買ってしまったのだが、しっかりと下調べをしないまま購入したので結構な思い違いや不満点が出たため、今後購入を検討する人のために諸々の感想を述べておこうと思う。

また、Alexa(人工知能名)とEcho(商品名)で分けるのが煩わしいので、以下、呼称を「Alexa」で統一することとする。

「Skill」のレーティングが機能していない

まず、Alexaには「Skill」という特徴があることを説明しよう。 Skillは砕いていうとプラグインのようなもので、Alexa自体が持っていない機能を別途インストールすることができる。日本で利用出来るスキルの数は、2018年1月現在、500以上とされている。ニュースを読み上げてくれる実用的なものからピカチュウとおしゃべり(という名の一方的な文字列の殴り合い)ができるユニークなものなど、その色は多岐にわたる。

しかし、現在Alexaの管理ページからSkillを確認すると評価がついているものが見当たらず、レーティング機能がほぼ機能していないように思われる。ふざけたジョークSkillも多いので、役立つSkillを発掘しようとすると、黎明期感のあるカオスな空気に辟易してしまう。ちなみにニュースSkillをおすすめ順で並び替えると
大宮経済新聞
船場経済新聞
梅田経済新聞
がTOP3に連なっていた。

特定メディアのニュースSkillをピックできない

まだSkillとして進出していないWeb媒体のメディアも今後はどんどん増えていくことだろう。それ自体は喜ばしいことだが、AlexaのニュースSkillを起動する仕様自体に問題が残っている。例えば、経済情報にアンテナを張りたい方であれば、大宮経済新聞・船場経済新聞・梅田経済新聞を真っ先にインストールするものだと思われる。

さて、大宮経済新聞のSkillを起動したい場合はどうするか?答えは「ニュースを教えて」である。そうするとインストールされているニュースSkillが順々に流れていくのだが、特定のニュースSkillを聞きたい場合はそれが流れるまで待つか、一つずつ飛ばすしかなく非常に面倒なのだ。

おそらく、これは起動コードの仕組みによるものだと思われる。Alexaでは「"Skill名"を開いて」という言葉がSkillの起動コードとなる。つまりシステム上、Skill名は一意の文字列でなければならない。このシステムのために、似たようなSkill名が増えると任意のSkillが起動できないという可能性が高まるため、Amazon側としてはできるだけコード名で起動するSkillを増やしたくないのではないかと勝手に考えている。 このシステムはあまりにも刹那的すぎるでしょと感じるが、さすがにずっとこのままでは問題なのは明らかなので、Amazonが今後のアップデートで対応してくれることを期待するしかない。

再生したい曲を再生できない(Amazon Music

そもそもの利用想定がファジーな感じなので、「明るい曲」とか「静かな曲」とかいうと適当にプレイリスト名からピックアップしてくれる。(「暗い曲」や「静かな曲」はないけどね!)
普段聞かない曲が流れるので自分の行動では知ることはなかったであろう音楽などに触れる機会も増えるので、この即席マッチングな感じは非常に好きなのだが、ライブラリに入っている曲はなぜか絶対にシャッフル再生から始まる。

「ライブラリに入れるくらいだから何回も聞いてんだろ?」と気を聞かせてシャッフルにしているのかもしれないが、私はアルバムに関しては曲順は変えたくないし、ライブラリに入れる場合は自分的ベストな曲順を設定しているのでそれをシャッフル再生されるのは、作った料理に調味料をシャバシャバかけられる事案に似た哀しみを感じる。また、短いアルバム名(アーティスト名)だと意図しないものがヒットするので、結局はスマホBluetooth接続して流すのが早い、というのが使ってみた所感。Amazon MusicライブラリのセクションごとにAlexa用のコードを設定できれば、普段使いとしてはAlexa単一で完結できるようになるんだがなぁ。あまりスマートでないけど。

そんなこんなで、音楽再生に関してはかゆいところに手が届かないのが非常に悩ましい。Alexaには帯にもタスキにも使えるような万能さを持って欲しいと思うのは欲深いだろうか。

「二度とこんなことすんじゃねーぞ」機能がない

Alexaでは音量調整も声で行える。非常に便利なのだが、私の滑舌が悪いのか「音量を小さくして」というと音量をMAXにされて深夜の1時に爆音ミュージックを流してしまうという事案があった。それ以来、夜中に音量調整命令をするのは控えている。
「Alexa、ほんと今のはね、ダメなやつよ?」
「スミマセン ナンダカ ウマク イカナイ ミタイデス」
と定型文を返されるので、本当にわかってんのかこいつはと心配になる。

ただし、Alexaの管理画面にいくと音声フィードバック機能というものがある。この機能を使えば、こちらが出したメッセージをAlexaが上手く聞き取れたかどうかをレポートすることができる。しかし、この機能、「正しく反応したかどうか Yes / No」という形式でしかレポートできない。 いやもうね、YesとかNoとかじゃないんですよ。もう二度とこんな過ちはおかして欲しくないんです。俺の出したい「No」は知りたい天気の場所が違ったとかいう「No」とは全然違うの。AbsolutelyにNeverな「NO!!!!」なの。
そういう形で強くフィードバックができればいいんだけど、親元にメールを送るしかないんだろうか。

タイマーをセットしたいのにスリープタイマーがセットされる

「〜〜のタイマーをセット」というと五分五分でスリープタイマーがセットされてしまう。音楽流してないのに何をスリープしようとしているのだ君は。正しいコマンドが分からないのでそのあたり試行錯誤しているのだがアフィブログの「Alexaこんなことができます、便利!」というポジティブキャンペーンが多すぎて欲しい記事が検索しづらくなっている罠。皆さんもっとネガキャンしてください!

--- 追記 ---
「〜〜分経ったら教えて」というとタイマーを起動してくれることが分かった。
学習しました。

言語翻訳ができない

Alexaには翻訳機能がない。まぁそれは元々分かっていたことなのだが、これだけSkillがある中で翻訳用のSkillも無いのである。これについては完全に自分の勘違いなのだが、翻訳用のSkillがあるものだと勝手に思い込んでしまっていた。というのも日本でのAlexaの発売当初より、オンライン辞書データベース「英辞郎」を運営しているアルクから各種Skillが提供されるという情報があったからだ。

アレクからは「キクタン」・「英語クイズ」など、教育系に有用なSkillがあるので、もちろん翻訳用のSkillもあるだろうと勝手に思い込んでいたところ、アルクからはおろか他企業からも翻訳用のSkillは出ていない。

今後アルクからの開発を期待したいところではあるが、アルクの英語学習Skillは非常に音質が悪い。AMラジオを聞いているかのような音質なので私のような低級英語レベルでは基礎レベルの問題でも太刀打ちできない。(まともに英語ができる人であれば気にならないのかもしれない)
音源の悪さについては開発の問題ではなく、このSkillは商品の試用版みたいなもので、ちゃんと聞きたい人はお金を払ってCDを買ってくれということだと思う。アルクのSkillはあくまで商品のプロモーションだと考えられるが、商品を知ってもらうために質を落とした商品を渡すのはどうなのかと疑問に思うところはある。なので、今後の翻訳Skillの開発に個人的には期待していないし、開発されたとしてもそれはやはり試用版にとどまると思う。(いちおう言葉として出しておくけどそれは全く悪いことではない。有用なものにお金がかかるのは当然である。)

終わりに

つらつらと不満を書いたけどAlexaを買うなと言っているわけではなく、これらはあくまで注意点であり、正しくスマートスピーカーを選択するための情報として利用してもらえれば幸いです。
今後のAlexaの発展とSkillの充実を願って🙏